番町の町並みを守る会
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千代田区区議会議員への公開質問を致しました

3月13日(月)締切で、千代田区議会現職議員23名の皆様へ、二番町地区地区計画改定についての賛否を伺う公開質問を実施させていただきました。

その結果を下記の通り回答順にて公開させていただきます。

来月4月23日には統一地方選・千代田区議会議員選挙がございます。
回答内容、回答有無など、ご投票のご参考にしていただければ幸いです。

 

【送信質問メール】

千代田区議会議員の皆様

日頃より千代田区政にご尽力いただき誠に有り難く、厚く御礼を申し上げます。

ご高承の通り、日本テレビ放送網株式会社は千代田区役所に対し二番町地区計画の変更を含む再開発計画を申請し、現在検討が続いております。本件に関して、区議会議員の皆様のお考えをお伺い致したく、下記の通りアンケートを実施したく存じます。3月13日(月)午前10時までに本アンケートにご回答頂ければ幸甚です。

 


【アンケート質問】

区が提案している二番町地区に関する都市計画変更に関して、賛成または反対をその理由と共にご回答ください。

 

【区議会議員の皆様からのご回答(回答順)】

①岩田かずひと(立憲民主党 新生ちよだ) 反対

〈その理由〉
ビル風住環境の悪化
高さ制限を守ったうえでの検証が足らない
民間一社への優遇措置

住民との約束である地区計画を破って『都市計画法第21条の2』の制度を用いて脱法的に高さ制限を変えることへの不信感

日テレは『広場・バリアフリー・歩道の拡幅』を整備することを条件に高い建物を建てようとしている。
住民の中から『それらが整備されるならばいいのではないか』という意見も聞くが、実際はそうではない。
それはむしろ逆で、それらを整備しないと高いビルが建てられないだけである。
それを偽善的に語る日本テレビも、それを後押しする区も住民の声を聞かなすぎる。

区も日テレも『地域の課題解決』『地域貢献』を声高に叫ぶが、この開発の容積緩和で日テレは一体何百億円のプラスになるのか収支予測を明らかにしていない。

多くの住人が反対しているのに区民の声を無視して強硬的に計画を進めようとしている。
そもそも公平公正中立的な第三者的立場である区が完全に日テレ側についている。

高さ制限60メートルの地に90メートルの図を日テレが出してきたのは、『千代田区から現行の規制にとらわれずに提案して欲しいと言われたので』と、日本テレビ社員が2022年2月28日の【日本テレビ沿道まちづくり協議会】で答弁しているが、この時は都市計画法第21条の2の提案はまだなかったので

当該土地の高さ制限は高さ60メートルであったにもかかわらずである。
もう区にも日テレにも、不信感しか無い。

 

②長谷川みえこ(千代田を紡ぐ会) 反対

日頃より町並みを大切に考えてくださり、ありがとうございます。

二番町地区に関する都市計画変更は”反対”です。

60mの高さ制限があるにも関わらず、閑静な住宅街に1社がエリアを切りとり計画変更をすれば、同様の手法を使う企業が出てくることも考えられます。

ルールを守って建物を建てるべきではないでしょうか。

 

③飯島和子(共産党) 反対

理由は、変更案は番町地域の町並み、日テレ通りの幅員に相応しいとは思えず、従来の地区計画を変更する合理的理由は無いからです。

 

④牛尾こうじろう(共産党) 反対

二番町の地区計画の変更については反対です。その理由は、街並や景観を守れないこと。周辺の住民の賛否が二分しており、強引に進めるとコミュニティの分断につながるためです。

 

⑤小枝すみこ(ちよだの声) 反対

〈その理由〉2000年の前後、千代田区は超高層開発の波にさらされる中、番町は60メートルでも高いという懸念がある中、日テレやクラブ関東など事業者の意向を尊重してやむなく60メートルの高さ制限で妥協したと記憶している。そして、2年前の都市計画マスタープランにも同様のルールが明記されている。今回の地区計画変更にさいし、住民ベースではあらゆる場面で反対が過半数であった。地域貢献とする駅へのバリアフリーも広場の整備も60メートルの高さ制限の中で十分可能である。このような高さ制限ある地区計画の形骸化が許されるとしたら、もはや地区計画そのものが意味をなさなくなることを危惧している。行政は公平公正であるべきで、一企業の過剰な利益を優先する高さ制限と容積緩和の露払い役をすることは、都市計画のあるべき、地方自治の本旨という点からも、安易に認めてはいけない。

 

⑥永田壮一(自由民主党) 賛成 ※事務局註:自由民主党議員団(12名)として

二番町地区地区計画の変更に関するアンケートに対し千代田区議会自由民主党議員団として以下の通り回答致します。よろしくお願い致します。

賛成 その理由

日本テレビの開発に際しては、地域の方々が長年に渡り要望実現のために努力をされて来たと認識しています。今後は、都市計画審議会における審議結果を踏まえて進めていくことになります。建物詳細設計につきましては地域の方々のご理解が必要だと考えています。

千代田区議会自由民主党議員団

 

⑦木村正明(共産党) 反対

■反対の理由

住民参加の視点から、手続きに絞って問題点を指摘したいと思います。

再開発地区計画は、協議型の都市計画という特徴があります。その運用基準を東京都がもっており、千代田区はそれを準用しています。それに従えば、事業者からの企画提案書と、それを受けて区が検討し計画を評価した企画評価書が明示されることになります。ところが、本地区計画変更の都市計画案は、以上の手続きとは異なり、事業者からの都市計画提案を受けて、区の案として提案されました。そのプロセスをみると二つの問題があると考えます。

ひとつは、事業者から提案された都市計画提案を区がどのように検討し評価したのかという経過がみえないことです。

「再開発地区計画の手引き」は、「プロジェクトのプラス側面が積極的に確保されるようにすること」とともに「プロジェクトの及ぼすマイナスの影響が適切に処理されるようにすること」とあります。

「マイナスの影響」としてはビル風など住環境の悪化とともに、既存の地区計画との整合性も問われるでしょう。地域貢献の内容をどう評価したのか、地区計画の高さ制限を超える「90m以下」を適切と判断した根拠は何かなど、開発事業者との協議内容を含む検討経過を説明する責任が区に課せられています。

「再開発地区計画」制度の創設にかかわった水口俊典氏は「計画協議のプロセスにおいて合意形成を円滑に進めるためには、法定手続き以前の段階の計画原案に関する協議内容や、その結果まとめられた条件を明示する『企画評価書』を作成して、これを公表することが適切である」(「都市計画とまちづくり」)とのべています。

企画評価書がなければ、それに代わる検討・評価した文書が示される必要があるのではないでしょうか。

いまひとつは、事業者からの提案と区の都市計画案作成の間における住民参加と、住民合意がきわめて不十分なことです。既存の地区計画は説明会から2年間、15回の意見交換会をへて都市計画決定されたものです。それは住民が決定したまちづくりルールです。

そのルールの一部を新たなものに変更することの妥当性については、本来都市計画の手続きに入る前の段階で開発事業者、千代田区、住民の三者で協議して検討されるものです。

都の「再開発等促進区を定める地区計画の流れ」では、開発事業者の提案前の準備段階から区域内の関係地権者の合意形成と、周辺市街地の関係地権者のおおむねの合意形成をもとめています。二番町の地区計画変更における住民参加と住民合意の不十分さは否めません。

区議会環境まちづくり特別委員会も二番町地区の地区計画変更に関する陳情審査をふまえ、「地域の合意形成を図っていける協議の場」の検討を区に要請しました。

先の水口氏は開発者と公共団体、住民の計画協議の内容について次のようにのべています。

「再開発地区計画制度を、容積率規制の大幅な緩和等に期待して活用しようとする開発者はそれなりの覚悟を定めて、公共側や住民とつき合う必要がある。容積率の大幅な緩和よりも自由な都市デザインと優れた開発計画としての認知を求めて、より小回りのできるプロジェクトのために、再開発地区計画制度が活用されることが望まれる」。

日本テレビ放送網株式会社が住民との協議をとおして、地域住民と共有できる「優れた開発計画」のために再開発地区計画制度を活用されることを強く願うものです。都市空間はみんなのものです。

 

【期日までにご回答いただけなかった議員(議員名簿順)】

① 小野なりこ(都民ファーストの会)
② 岩佐りょう子(立憲政策フォーラム)
③ 秋谷こうき(千代田至誠会)
④ 米田かずや(公明党)
⑤ 大串ひろやす(公明党)

以上

 

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